心臓疾患には先天性に起こるものと後天性に起こるものがありますが、
先天性の場合には超音波検査はとても重要な検査です。なぜなら手術に
よって治る可能性のあるものとそうでないものを鑑別する必要が
あるからです。聴診とレントゲン検査だけでも大体のところは
わかりますが、複数の異常が同時に起こることもあるので併せて
超音波検査を行います。後天性の場合にも病気を確定したり、
重症度を判断する目安のひとつとして検査を行っています。
犬では最も検査しやすい臓器のひとつですが、正常な猫では薄すぎて
みつけにくいことがあります。脾臓は様々な疾患で腫大しますが、
他の検査に加えて超音波検査で内部構造をみることで可能性の高いものを
しぼりこむことができます。
犬では特に雌において副腎皮質機能亢進症というホルモン疾患が
多いのですが、血液検査やレントゲン検査でこの疾患が疑われた場合、
次のステップとして超音波検査を行います。副腎の厚さを計測することで
さらに詳しい検査に進むか否か判断しています。
犬の正常範囲は7mm以下とされています。
Part 2
明らかに腫大した左副腎。
厚さが14mmもあります。
脾臓の一部がポコっと飛び出るような
形になっっています。超音波を見ながら
細い針を刺したところ腫瘍性のリンパ球が
たくさん採取されました。
食欲がない猫のお腹を触ると硬いしこりが
さわれました。エコーでお腹をみるとしこりは
肝臓内にあることがわかりました。
超音波を見ながら肝臓にあるしこりに
細い針を刺したところ細胞も核も大きさが
ばらばらでいかにも悪性と思われるような
肝臓の細胞が採取されました。
犬で最も多い先天性心奇形の
動脈管開存症(PDA)。大動脈から
肺動脈内に連続的に異常な血流が
認められます。手術で根治することが
可能です。